先日お知らせにもあげさせていただきましたが、弊所ではM&A業務を行うにあたって、M&A支援機関として登録を行いました。
近年、中小企業におけるM&Aの重要性がますます高まっています。かつては「M&A=大企業の戦略」といったイメージが強かったものの、現在ではディール金額が小規模なものも増え、事業規模を問わず多くの経営者が当事者となる時代が到来しました。こうした流れの中で、私たち税理士事務所がM&A支援機関としての役割を果たしていくことには、大きな意義があると考えています。
中小企業におけるM&Aの広がり
特に最近では、事業拡大や多角化を目的として、新規事業をM&Aによって取得する企業が増えています。弊社としても、クライアントが買い手となるケースでの支援を行うことが多く、買収した事業とのシナジーを生み出しながら、さらなる発展を遂げていくプロセスをサポートできることを嬉しく思っています。新たな分野に進出することで事業の幅が広がり、企業の競争力向上にもつながります。
一方で、売り手側の支援も重要なテーマです。事業承継先が見つからず、やむを得ず廃業を選ばざるを得ないケースも少なくありません。しかし、事業そのものには価値があり、適切な引き継ぎ先があれば、会社や従業員、取引先にとってもより良い選択肢となるはずです。M&Aは単なる「売買」ではなく、経営者が築き上げたものを次世代へとつなぐ「花道」として機能することもあります。私たちとしては、こうした支援を通じて、クライアントが納得のいく形で事業を次のステージへと進められるよう、お手伝いしたいと考えています。
税理士事務所としてM&Aを支援する意義
M&Aといえば、仲介業者の存在が一般的ですが、残念ながらすべての仲介業者が誠実な対応をしているとは限りません。仲介ビジネスは成功報酬が前提のため、必ずしもクライアントにとって最適ではない形でM&Aを推し進めるケースもあります。
その点、弊所は、あくまで税務顧問という本業を持ち、無理にM&Aを勧める必要がない立場にあります。M&Aを無理に成立させるのではなく、本当にクライアントにとって最善の選択なのかを冷静に判断しながらサポートできることが、私たちの特徴です。私たちの立場からすると、M&Aをしたことで顧問契約に悪影響が出るような事態は絶対に避けなければなりません。長年クライアントと向き合ってきた税理士だからこそ、こうしたリスクにも十分配慮しながら支援を行えると考えています。
適材適所のM&A支援を
とはいえ、私たちが大型のM&Aをまとめるような専門的な仲介力を持っているわけではありません。そのため、規模の大きな案件については、適切な専門業者に依頼するのが最善だと考えています。
逆に小規模なM&Aに関してはしっかりと対応できる。背伸びせずしっかりとできる範囲で、中小企業の経営に寄り添いながら、税務の専門家としての視点を活かしたM&A支援を行っていくことに注力します。
そして、必要に応じて信頼できる専門家と連携し、クライアントにとって最も良い選択肢を提供できる体制を整えていきたいと考えています。
M&Aは、企業にとって大きな決断です。その決断を、より良い形で実現できるよう、私たちはこれからも誠実に、丁寧に、クライアントの未来を支援していきます。