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会社の帳簿、何をどれだけ保存すればいい?【法人編】

2026 10/12
2026年10月13日
会社の帳簿、何をどれだけ 保存すればいい?【法人編】

会社を経営していると「帳簿」「帳簿書類」という言葉を耳にする機会は多いと思いますが、実際に何を指し、どれくらいの期間保存する必要があるのか、正確に把握されている方は意外と少ないのではないでしょうか。

今回は、法人が備え付け・保存すべき帳簿書類について、基本的なポイントを整理します。

帳簿とは何か

会社を経営していると「帳簿をつけましょう」とよく言われますが、そもそも帳簿って何なのか、あまりちゃんと説明されないまま使われている言葉かもしれません。

一言でいうと、帳簿とは「日々のお金の動きを記録していく書類」のことです。1つの書類を指すのではなく、いくつかの書類の集まりにつけられた呼び名です。

中心になるのは次の2つです。

  • 仕訳帳:取引をあった順番に記録していく、いわば「取引の日記」
  • 総勘定元帳:仕訳帳の内容を、勘定科目(現金・売上など)ごとに整理し直したもの

この2つがあれば、決算書(貸借対照表・損益計算書)まで作れます。それ以外の現金出納帳や売掛金元帳、固定資産台帳などは、必要に応じて追加していく「補助簿」というポジションです。

今は会計ソフトを使えば、仕訳を入力すると、総勘定元帳などの帳簿に自動で反映されます。入力が完成していれば決算書も自動で作成できるので、「帳簿を手作業で作る」という感覚はほとんどなくなっています。

税理士からひとこと
「帳簿」と聞くと構えてしまう方も多いのですが、実態は、入力した仕訳をもとに、会計ソフトが帳簿を作ってくれています。経営者の方が特に意識したいのは、「正しく・こまめに仕訳を入力する」ことだ、というのが実感です。

帳簿とは、書類とは

「保存しておかないといけないもの」をまとめて、法律上は「帳簿書類」と呼びます。

「帳簿書類って何?」と聞かれると、実はこれ、2つのものをくっつけた言葉です。

  • 帳簿:日々つけていくもの(仕訳帳・総勘定元帳・現金出納帳など)
  • 書類:取引のたびに受け取ったり、決算のときに作ったりするもの(領収書・契約書・貸借対照表・損益計算書など)

イメージとしては、帳簿は「自分でコツコツ作っていくもの」、書類は「向こうから来る、または締めのタイミングで作るもの」です。

税理士からひとこと
「帳簿書類を保存してください」と言われても、最初は何のことか分かりづらいと思います。
でも中身はシンプルで、「自分で作る帳簿」と「もらった・作った書類」の2種類だけです。難しく考えず、まずは「捨てずに取っておくもの全般」くらいの感覚でOKです。

保存期間はどれくらい?

結論から言うと、大雑把に管理したい方は10年間保存しておけば安心です。

法律上のルールは少し複雑で、法人税法では原則「7年」ですが、赤字(欠損金)が出た年度は「10年」になります※1。さらに会社法という別の法律では、帳簿も決算書類も一律「10年」保存しなければならないと定められています※2。

このように法律によって7年だったり10年だったりするので、細かく管理するのが面倒な方は、最初から全部10年保存にしてしまうのが一番シンプルで安全です。
※保存期間は『申告期限の翌日』からカウントします

一方で、書類ごとにきちんと管理できる方や、10年分ともなると保管コスト(書庫のスペース、電子保存の容量など)が無視できない方は、無理に10年で統一せず、法律どおりに「原則7年、赤字の年度だけ10年」で運用しても問題ありません。要は、ご自身の管理のしやすさと保管コストのバランスで決めていただければ大丈夫です。

税理士からひとこと 迷ったら「10年で統一」が一番事故が少ないですが、書類が多い会社さんだと保管スペースが馬鹿にならないのも事実です。私は昔、赤字だった年度の書類だけ7年で先に処分してしまった、という相談を受けたことがあります。管理を簡単にしたいか、コストを抑えたいか、自社に合う方を選んでいただければと思います。

なお、決算書や確定申告書のような特に重要な書類は、保存期間を過ぎても捨てずに残しておくことをおすすめします。融資の相談で古い決算書が必要になったり、まれに何年も前の取引について確認を求められたりすることが、実際にあるからです。

保存方法は?

帳簿書類の保存は、今も昔も「紙」が原則です※3。ただし要件を満たせば、印刷せずデータのまま保存することも認められていて、今はその際の税務署への事前申請も不要です(令和4年1月〜)※3。

さらに注意したいのが、メールやネット通販でやり取りした請求書・領収書などのデータです。これは2024年1月から、紙に印刷するのではなくデータのまま保存することが原則義務化されています(※事情があり、税務調査時に紙で提示できる場合は紙保存も認められる猶予措置があります)※3。法人・個人事業主どちらも対象です。

取引数が多い会社さんだと、紙の書類の保管スペースやコストもバカになりません。以前は「A4用紙に貼り付けて保管」といった方法もありましたが、現代ではそこまでする必要はないと思います。ただ、必要なときにすぐ確認できるよう、月ごと・取引先ごと・用途ごとなど、ある程度まとまった状態にしておくことはおすすめします(この保管方法については、別の記事で改めて詳しくお話しします)。

税理士からひとこと
正式なルールとは別の話にはなりますが、実務上は「税務調査などで内容をきちんと確認・説明できる状態になっているか」が一番のポイントだと感じています。

データでも紙でも、いざという時に該当の書類をすぐ出せて、内容を説明できるようにしておけば、大きな問題になることはあまりありません。とはいえルール自体は守っていただく前提で、日頃から整理しておくことをおすすめします。

まとめ

会社の帳簿は、法人税法(原則7年、赤字の年は10年)と会社法(一律10年)で少しルールが違うので、迷ったら「10年保存」にしておくのがシンプルです。ただし書類が多くて保管コストが気になる方は、法律どおり「7年+赤字の年だけ10年」でも問題ありません。

保存方法は紙が原則ですが、要件を満たせばデータ保存も可能です。特にメールやネット通販でもらった請求書・領収書は、2024年1月からデータのまま保存することが義務になっているので、ここだけは要注意です。

税理士からひとこと
帳簿の話は細かいルールが多く感じられるかもしれませんが、結局のところ「必要なときに、必要な書類をすぐ出せる状態にしておく」ことに尽きます。まずは無理のない範囲で、自社に合った保存ルールを一つ決めてみてください。分からないことがあれば、いつでもご相談ください。

参考文献・もっと知りたい方はこちら

※1 国税庁 No.5930「帳簿書類等の保存期間」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5930.htm

※2 会社法第432条・第435条(会計帳簿の作成及び保存、計算書類等の作成及び保存)

※3 国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/index.htm

・国税庁パンフレット「はじめませんか、帳簿・書類のデータ保存(電子帳簿等保存)」https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_02.pdf

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この記事を書いた人

内橋 海のアバター 内橋 海 税理士・CFP

うちはし税理士事務所 代表 内橋 海
税理士・CFP®
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