会計ソフトの選び方|税理士事務所が実際に使って感じた4つのポイント

今は、帳簿をつけるなら会計ソフトを使うのが当たり前の時代です。ただ、ソフトの種類が多く、「結局どれを選べばいいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、会計ソフトを選ぶときに見ておきたいポイントを整理します。当事務所で実際に使っているジョブカン会計・マネーフォワード クラウド会計・弥生会計の使用感も参考としてお伝えします。ソフトごとの詳しい紹介は、順次、別の記事で公開予定ですのでお待ちください。
1.クラウド型か、インストール型か
会計ソフトは、大きく2つのタイプに分かれます。
- クラウド型:ブラウザで使うタイプ
- インストール型:パソコンにソフトを入れて使うタイプ
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| クラウド型 | 複数の人が、同じデータを同時に見られる。 税理士と会社が同じ画面を見ながら確認できる。ソフトの更新が自動。 | ネット環境が必要。 月額(または年額)の費用が続く。 |
| インストール型 | ネット環境に左右されにくい。入力スピードが速い。 | 税理士と同じデータをタイムリーに見るには、データの受け渡しなどの工夫が必要になりやすい。 |
当事務所で使っているソフトでいうと、ジョブカン会計とマネーフォワード クラウド会計はクラウド型で、税理士事務所とクライアントが同時に同じデータへ接続できます。ジョブカン会計は、誰が接続中かが画面で分かるのも便利です。一方、弥生会計はインストール型で、入力データの更新は3つの中でいちばん速く、ほぼ同時に反映されます。
2.銀行・カード・売上・請求書・給与などとのデータ連携
次に見ておきたいのが、ほかのデータとの連携です。日々の取引に関わるデータを自動で取り込めると、その分、入力の手間が減ります。
連携できるデータには、たとえば次のようなものがあります。
- お金の出入り:銀行口座の入出金、クレジットカードの利用明細
- 売上:POSレジやネットショップの販売データ
- 請求書:請求書を発行するソフトに入力した、請求のデータ
- 給与:給与計算ソフトで計算した、給与のデータ
- 経費精算:経費精算ソフトに入力した、経費のデータ
どこまで連携できるか、どんな方法で取り込めるかは、ソフトによって違います。自動的にデータ取得をするのか、手動になるのかで使い勝手も変わってきます。たとえば、取り込みの間は他の操作ができなくなるものもあるので、使い方に合うかどうかも確認しておくと安心です。
3.入力のしやすさ・スピード
毎日触るものなので、入力のしやすさやスピードも大切です。機能の一覧には出てこない部分ですが、使い続けるうえでは大きな差になります。
見るポイントは、たとえば次のとおりですが、このあたりは事前に確認することは難しいので、デモ画面や無料プラン等があれば参考にするのがいいと思います。
- 反映の速さ:入力した内容がすぐ反映されるか。再表示の操作が必要か
- 検算のしやすさ:入力しながら、数字をその場で確認できるか、複数画面で表示できるか
- 操作感:今まで使っていたソフトに近い感覚で使えるか(乗り換えのしやすさ)
- 入力補助の機能:前年度参照や貸借振替、仕訳検索などの細かな機能の充実、使いやすさ
4.費用の考え方
費用は、月額の料金だけで比べがちですが、年間でいくらかかるか、そして会計以外の業務で何を使うかまで含めて考えるのがポイントです。
会計ソフトの料金体系は、大きく2つに分かれます。
- 会計ソフトの料金だけで契約できるタイプ:必要なものだけを選べる。請求書や給与のソフトが必要なら、別に契約して連携させる
- 請求書や給与など、ほかのサービスも含まれているタイプ:会計以外の業務も、同じ仕組みの中で使える(使える範囲はプランによって異なる)
前者は、会計だけを使いたい方にとって、費用を抑えやすい形です。後者は、請求書や給与のソフトも使いたい方にとって、ひとつにまとめられるのがメリットです。反対に、会計以外のソフトが必要ない方にとっては、使わない機能の分だけ割高になることもあります。
また、料金の支払い方にも違いがあります。クラウド型は、月額(または年額)の費用が続きます。インストール型には、ソフトを購入する形で、別に年間の保守サポートがかかるものもあります。
5.当事務所が使っている3つの会計ソフトの特徴
ここからは、当事務所で使っている3つのソフトの特徴と、使ってみた感想を紹介します。料金プランなどの詳しい内容は、後日公開する各ソフトの紹介記事でご案内します。
ジョブカン会計
当事務所で使ってみた感想
クラウド型でありながら、入力や画面遷移のスピードが速くサクサク入力・チェックができる、というのが最大の利点だと感じています。 金融機関やクレジットカードの利用明細も連動でき、細やかな設定ができます。
入力した仕訳のフィルター検索がしやすく、前年度の仕訳の参照や、貸借の入れ替えなど、細やかな機能が多く配置されています。仕訳の量が多い方や、税理士事務所にも向いていると感じます。
また、クラウド型のなかでも、従来のインストール型のソフトに近い操作感だと感じています。そのため、インストール型を長く使ってこられた方でも戸惑いにくく、当事務所でも、スムーズに切り替えられたケースが多くあります。勧めやすいソフトです。
マネーフォワード クラウド会計(クラウド確定申告)
当事務所で使ってみた感想
マネーフォワード クラウド会計の特徴は、ほかのサービスとの連携が豊富なことだと感じています。金融機関やクレジットカードのデータが自動で取得されて反映されるので、入力の手間がぐっと減ります。マネーフォワード クラウド請求書などを使っていれば、会計データへの取り込みもとても簡単です。特に、レジやネットショップの売上データを税率ごとに取り込めるので、POSレジを使っている飲食店や小売店では、効率化しやすいと感じます。
また、画面表示が分かりやすく、設定もしやすいので、初心者の方にも使いやすいソフトです。個人事業主の方には、同じシリーズの「マネーフォワード クラウド確定申告」もあわせておすすめしています。
弥生会計
当事務所で使ってみた感想
長年、多くの事業者に使われてきた、定番の会計ソフトです。インストール型ですが、今でも多くの方に使われています。
自動連携よりも、手入力で仕訳を入力するときの使いやすさが魅力だと感じています。入力がサクサク進み、待たされる感じがほとんどありません。
最近は、複数の会社を経営される方も増えています。1つのライセンスで複数の会社のデータを作成できるので、会社ごとに契約するタイプのクラウド型と比べて、費用を抑えやすい場合があります。
経理担当の方が以前から使い慣れているケースも多く、そのような場合や、複数の会社をお持ちの方におすすめしています。
まとめ
会計ソフトを選ぶときは、次のポイントを参考に自社にあうものを探してみてください。一度使いだすと変更するのに手間がかかるので、なるべく初めに自社に合うものを選べるとよいと思います。
- クラウド型か、インストール型か:税理士とどう共有するかで選ぶ
- データ連携:銀行・カード、売上、請求書、給与まで、どこまで自動にしたいか
- 入力のしやすさ・スピード:毎日使うものなので、無料体験で必ず触ってみる
- 費用:会計ソフトだけの料金で比べず、給与や請求書など会計以外のソフトも含めた、年間のトータルで考える



